講師 萩谷 順 氏
朝日新聞編集委員、テレビ朝日コメンテーター
とき:平成16年11月19日(金) 午前10時から12時
ところ:横浜市青葉国際交流ラウンジ
参加者:45名
今回の交流会は、特派員としてエジプト、ドイツ、オーストラリアなどに 駐在のご経験のある萩谷順氏にジャーナリストの視点から見た国際情勢を お話していただきました。 難解で複雑な国際問題から日本の社会問題まで、そのトピックスは 幅広く興味深いものでした。子供たちの未来は明るいか? 未来ある子供達のためにしなくてはいけにこととは? メディアが果す役割や限界などについて分かりやすく 話してくださいました。 |
「世界中で起きているいろいろな出来事、とりわけ悲惨なできごとが世界情勢と日本の歴史のなかで、翻弄されている。なかでも拉致問題、イラク問題などは我々にとって、大きな問題である。日本はどうしたらよいだろうかと考える時、問題を抱える各国事情や歴史背景を考える必要がある。 それにしても判断がむずかしい時代となった。かつては、選択判断が2極化していて、答えは簡単に出せた時代であった。 しかし、今は、そうはいかない。一つずつきちんと考えていかないと答えが出てこない。 これからの時代は、物事に積極的に取り組もうとする子供にとってはチャレンジできる時代、面白い時代であろう。イラク、拉致の問題にしろ、自分自身を基本にして、自分の感覚、気持ち、これまでのまとめてきた考えかたをもとに、自分で考えてそれを広げていけばよい。今は、個人がまじめに考えて努力すれば生きていける時代である。 しかし、今の子供は、現在の状態にかかわりすぎている。今の状態を維持できればよいと思っている傾向があるので、親世代はいらいらしている。子供の未来は大丈夫だろうか、子供を安心し産める社会だろうかと心配しているが、親世代が一生懸命にやってきただろうか自問すべきである。どうしたらいいのかknow‐howをあたえることができない。 しかし、子供の将来を思って、あまり暗くなることもない。 ただ一つだけ言えることは、自分たちの生活というものは、社会とのかかわりあいを抜きには絶対ありえないこと。社会の情報というものは、生きていくうえでとても大切なものであるということ。 社会情勢は、インターネットなどで簡単に検索し入手しやすい。on timeに分かる。インターネットが好きで、活用できるものをどんどん使えば、情報が直ぐに入手できる時代になった。 そういう意味では、世の中のことを考えるのが楽になったといえよう。 ひとつ、欠けていることは、人間と人間同士の触れ合いが欠けてきてしまっていると言うことだ。 未来は問題も多いけれども、取り組んでいくための材料(情報という意味での)と経済的な基盤という資産を持っているわけだから、我々は、昔親から言われてきているように、「もっとしっかりしなさい」と繰り返すしかない。我々の時代は、しっかりしなくてはいけないときに、モデルがあった。 しかし、今は、そのモデルが崩壊した。もっとしっかりしなさいと言う時、自分の子供に合ったモデルを我々が考えてあげることが大切である。 やりたいことを見つけるための自分のモチベーションをはっきりさせることが大切だとアドバイスをする。やりたいことに役立つかもしれない。物事を考えていくときに、役立つかもしれない。子供たちは、自分で自分のことの問題を解決していかなくてはいけない。その補助役を我々親世代ができればいいと思っている。」 |