第84回インターナショナル・トークサロン
横浜市青葉国際交流ラウンジ・横浜市藤が丘地区センター共催
第83回 インターナショナル・トークサロン
ゲスト・スピーカー キャロリン・シュワルガーさん(Carolyn
Schwalger)
ニュージーランド大使館外交官
日 時 平成14年11月30日(土)開催済み
会 場 横浜市藤が丘地区センター
参加者 46名、 ゲスト関係者1名、 世話人13名
内容
今年は日本にニュージーランド大使館が設立されて50年になります。両国関係は政治・経済面だけでなく一般市民の文化、観光、教育面の交流も盛んになってきています。高校時代に1年間交換留学生として九州で過ごされた経験をもつゲスト・スピーカーは韓国で5年間の大使館任務を終え、今年7月に再度来日。流暢な日本語で、ニュージ-ランドの自然、1980年代後半から1990年代にかけて行われた経済改革による輸出・内需の拡大、さらに男女機会均等、多文化共生、“Kiwi
Creativity”と称される創造力等をビデオとキャロリンさん作成の問題用紙に参加者が解答。その答え合せをするような形式で紹介をして下さいました。
ニュージーランドの国土は日本より少し小さく、季節は丁度日本と逆で、日当たりの良い部屋は北向きです。首都・ウェリントンのある北島と氷河や3000mを越える山々を17持つ南島に、日本の30分の1の人口380万人が住んでいます。人口の約80%がヨーロッパ系、マオリは14パーセント。公用語は英語とマオリ語(お話の中でよく使われているマオリ語と挨拶を教えていただきました)。ニュージーランドの初定住者はポリネシアの島々からマオリが到来。島には白い雲が長くたなびくことから、“Aotearoa”と呼ぶようになりました。先住民マオリがすんでいたこの島にオランダの帆船航海者、エイベル・タズマンは1642年にやってきましたが、マオリ戦士の襲撃で上陸できませんでした。後にこの島はオランダのゼーランドにちなんで、Novo
Zeelandiaと呼ばれるようになりました。1769年、イギリス人ジェームス・クックが半年かけて地図を作成しました。1840年、ワイタンギ条約で、ニュージーランドはイギリスの植民地になり、現在は独立した国家です。英連邦のメンバーで、イギリス女王は国の元首になっていますが、国内の総督が女王の代理を務めています。1893年、世界で始めて女性に参政権が認められ、それより25年後にイギリス、アメリカ、日本は戦後の昭和21年、53年後のことでした。
現在ニュージーランドでは裁判長、NZテレコム社長、総督、首相全部女性です。Kiwiは鳥の名前です。Kiwiの卵は親鳥の3分の1の大きさのため、雛がかえるのにかなりの日数が掛かり、そこで雌鳥に替わって雄鳥が卵を抱いたり、えさを運んで手助けをする事から、人間の社会でも“Kiwi
husband”という言葉があり、Kiwiのように、子育てで男性に協力してもらい、子供を男性に預けても誰も悪く言う人はいないそうです。その為女性が社会で平等に活動しやすくなっています。
1953年にエベレスト山初登頂に成功したのは、ニュージーランド人エドマンド・ヒラリーでした。ニュージーランドではあらゆるスポーツが大変好まれ、特に水上スポーツが盛んです。
ニュージーランドから日本に一番多く輸出している物はアルミニウム製品です。その他、農・畜産物、魚介類、羊毛です。
現在のニュージーランドは地理的・経済的につながりの深いオーストラリア、日本、アメリカ、アジア諸国との関係を強化しています。
ニュージーランドの学校で一番広く教えられている外国語は日本語です。ニュージーランドの教育の良いところは、例えば数学・科学に、或いは音楽に、興味があれば、集中して、創造性のある授業が受けられます。
ニュージーランド人は人に優しいと言われていますが、それは両親を見て育っているからです。
その他、質疑応答では長期滞在、家屋購入、語学留学、活火山が多いと言うことで地震、ニュージランド上空のオゾン層による対策等について質問が出ましたが、一つ一つ丁寧に答えていただきました。
次の写真は当日の会場風景です。ゲストスピーカーのキャロリンさん、参加者が問題に解答しているところ、国旗には英連邦の一員を象徴するユニオンジャックと南十字星をかたどった4つの星が見えます。
横浜市青葉国際交流ラウンジ・横浜市藤が丘地区センター共催