第82回 インターナショナル・トークサロン


                                            〜〜〜〜〜その暮らし、芸術、福祉〜〜〜〜〜

           ゲスト・スピーカー マリット・ブルアセットさん( オスロ大学院卒、東大研究生)

                       
      日  時       2002年9月28日(土)午後6時〜8時30分開催済み
      会  場       青葉区国際交流ラウンジ

           
参加者       24名、  ゲスト 1名、  世話人16名

内容
 ノルウェー王国は北は北極圏から南へ北海に沿ってフィヨルドが連なる海岸線の長い国です。東にはスウェーデン、フィンランド、ロシアと国境を接しています。位置的には厳しい環境ながらも海からの恵み、天然資源、農場、果樹園からの収穫、その自然環境を積極的に活用して楽しむ生活習慣、また歴史、文化、芸術等を映像を通して紹介していただきました。

 はじめに、歴史の概要。世界的に有名なヴァイキングは紀元後800年〜1000年、東はカスピ海、西はアイルランドへ、さらに大西洋を超えてグリーンランドや北米大陸へ、また地中海から現在のイスタンブールへ到達した人もいて、アイスランド、フェロー諸島、シェットランド諸島、ノルマンディー地方に植民地を築きました。

 ヴァイキングの時代が終わりを告げるとともに、キリスト教がノルウェーに浸透し、1380年にデンマークと連合するまで統一王国が存続しました。その後宗教改革によりノルウェーでもカトリックは勢力を失い、プロテスタントが確立しました。


 
1814年、デンマークはスウェーデンにノルウェーを移譲し、同年5月17日にノルウェーは独自の憲法を制定させましたが、同君連合を余儀なくされ、やっと1905年再び独立王国になりました。そのために、5月17日の憲法記念日は最大の祝日で、子供のための祝日になっています。この日、子どもたちは朝早く起き、一番良い服に着替え、地方によっては民族衣装を着る子も大勢います。国旗を掲揚し、歌を歌い、歓声をあげながら行進します。首都オスロでは、行進は数時間続き、王宮の前を通り、王宮一家が子供達に手を振って答えます。

 
19世紀には探検家ナンセンやアムンゼンによる極地探検の成功がありました。
また19世紀末に海運業は黄金期を迎え、本格的な産業化、都市化を遂げ、社会は大きく変革していきました。

 
 芸術文化についてはノルウェーの黄金時代の代表者として、劇作家イプセン、画家ムンク、作曲家グリークの紹介がありました。

 生活用品ではマリットさんの故郷(ノルウェー西部)を中心とした食べ物、パン、魚から取った油、これを飲んでいると風邪を引かないそうです。チーズカッター、防寒用靴下、セーター、サーディン缶詰等実際に持ってきて紹介していただきました。

 
最後に、近代社会について。ノルウェーでは小学校から高校まで13年間、授業料は無料です。福祉国家、男女平等、ECへの加盟及びEUへの加盟を国民投票で否決された話し、消費税等税金の高いことについても流暢な日本語で話してくださいました。


当日の会場風景と映像からをご覧下さい