横浜市青葉国際交流ラウンジ
外国語教室講演会
アメリカにおける

スクールカウンセラーの学校・ 地域での役割

〜子どもたちの可能性を引き出す〜

ゲストスピーカー: ホリー・ブルネリ氏

日時:平成1786(土)午後130分〜330
場所:青葉区区民交流センター会議室
参加人数:46名(内外国人2名 スタッフを含む)+スタッフ子女  保育1名+兄弟(7歳)

 アメリカ合衆国北東部ニューハンプシャー州から夏休みを利用され、来日されたゲスト、ホリー・ブルネリ氏をお迎えして、アメリカにおけるスクールカウンセラーの役割、仕事の内容、指導方法、子どもたちが抱えている問題、地域の人々との関わり等を映像を使って英語でお話していただきました。通訳にはお嬢さんと義理の息子さん倉岡正高・クリスタルさん、また日本でスクールカウンセラーを実践していらっしゃる芳村さんにもいろいろ助言していただきました。
 ティーブレイク後は熱心な参加者との質疑応答。真夏の特に暑い日でしたが、暑さを忘れて、アメリカや日本さらにカナダ等におけるカウンセラーの実情、実践的な内容にまで話が及び、2時間では時間が足りなく、これからの日本のスクールカウンセラーの方向性が垣間見られ、また日本の学校、家庭、地域社会に多くの課題を提供する機会になりました。

 ゲストは20年間、自然が豊かで、現在ではボストンのベッドタウンになりつつある町、レイモンドにある日本の幼稚園の年長に当るキンダーガーテンを加えた1年生〜4年生までの公立小学校で、カウンセリングの修士号を持った教職員として勤めておられます。アメリカにおけるカウンセラーは元は高校の職業指導から始まり、さまざまな問題を抱えるようになり、その後は幼い時期からカウンセリングを始めるようになったとのことでした。高校では生徒300人に1人、小学校では500人に1人置くように州が指導しています。

 カウンセラーは各教室を回り、ソーシャルスキル(児童の文化的背景が多様なため、共通する行動基準、友達作り、怒った時、さびしい時の対処、問題解決法、いじめ問題等を教える)のガイダンスをしたり、問題を抱えた個人や小グループの対応や、支援の提供、保護者、教員との相談、学校外のカウンセラーや福祉サービスの紹介もします。また管理職として学校内安全業務の他、地域社会との絆を強くする役割もあり、学校及び学区の危機管理もします。

 学校と地域との連携で17年前から続けられているものにアミーゴス・プログラムがあり、高校生ボランティアが指導者として特定の小学生とペアを組み、サポートするものです。 そのプログラムに参加した小学生は高校生になってボランティアになったり、卒業してから教員になる人もいるとのことでした。カウンセラーの役目はすべての児童が情緒的、社会的に成長することであり、学校、社会をよくするために必要な問題解決能力を与えるとのことでした。地域の資源を活用することで、子どもたちにさまざまな職業を持つ人たちに会う機会を与えることもその一つであり、最後に「一人の子どもを育てるには一つの村が必要なのです」と結ばれました。

 当日の会場風景